【絵本】スモールさんののうじょう ロイス・レンスキー作 〆の言葉を読むときの安心感、満足感が全て
作: ロイス・レンスキー
出版社: 福音館書店
出版年: 2005年 (原版は1942年出版)
文の量: 見開きに3,4行
ページ数:全48ページ
こんな子にオススメ!
動物好きな子
自然に興味がある子
あらすじ
スモールさんはお百姓さんです。
お天気の良い朝、早く起きたスモールさん。
家畜たちに餌をあげて牛の乳を搾って、鶏・あひる・七面鳥にもご飯をあげて。
動物たちのお世話が終わったらトラクターに乗ったりリンゴをとったり。
とれた野菜は即売所で売らないといけないし、夕方には鶏の卵集めもあるし。
スモールさんは、日が暮れるまでずうっと大忙しです。
子供の反応
淡々とした内容ですが、その「いつも同じ流れ」感が気に入ったのか子供が3歳頃までよく持ってくる絵本でした。
落ち着いた話を好む時期だったのかなと思います。
細かい点では、息子は「しちめんちょう」という鳥をこの本で知りました。
「しちめんちょうってどのとり?」と、鳥にえさをやるページで突然聞かれました。
いつも聞き流していたのに、突然気になったようでした。
そして、牛の乳しぼりのページでは必ずちょっとだけ笑ってました。
おっぱいとおしりの存在にはつい笑っちゃうんですよね。
リンゴを運ぶシーンで、荷台の後ろからリンゴがゴロゴロ落ちていくのにつっこんだりもしていました。
後は、即売所に並ぶ野菜たちをためつすがめつ眺めて、「これはとうもろこし?これは、れんこん?」と言ってみたり。
アメリカの野菜なのでイマイチはっきり分からず、こちらも「うーんどうだろ」くらいの返答しか出来なかったのですが、「何だろう」と少し止まって考える時間が好きなようでした。
おすすめポイント
まずは全てのページで目を楽しませてくれる明るい色使い。
そして、スモールさんが見せてくれる盛りだくさんの農場ライフ。
お話が「これが おひゃくしょうのスモールさんのおはなしです」できちんと終わる満足感。
この3つが挙げられます。
スモールさんシリーズの作者であるロイス・レンスキーの絵本は、のりもの絵本で有名なバイロン・バートンのような明るい色使いが魅力です。
バートンよりは少し陰影がある絵ですが。
空はどこまでも澄んだ水色で、スモールさんのほっぺたは素敵なピンク色。
リンゴやトラクターの赤色も映えています。
ページ全体から感じる明るいコントラストがいつ見ても楽しいです。
また、スモールさんが織り成す暮らしの様子を通して、満ち足りた生活とはどういうものかが子供にも伝わってきます。
日が昇ると同時に起きだして、日が沈むまでなんやかんや忙しく過ごす。
農場には動物もいるし、果物も穀物も育てなければいけません。
そういった忙しい暮らしを、少しだけ口角を上げていつも楽し気にこなすスモールさん。
そして、そういった農場の生活を「これが おひゃくしょうのスモールさんのおはなしです」でさりげなくしめくくるラスト。
そこに、この絵本の醍醐味がつまっていると思います。
スモールさんシリーズは、どれもスモールさんを通して子供の知らない世界を見せてくれる絵本です。
気に入った方は「のうじょう」だけでなく、是非他の絵本にも手をのばしてみてください。
*1: