ヨンダヨンダ

絵本、児童書、人文書籍、小説について

【絵本】スモールさんののうじょう ロイス・レンスキー作 〆の言葉を読むときの安心感、満足感が全て

スモールさんののうじょう―スモールさんの絵本 (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

タイトル:スモールさんののうじょう
作:   ロイス・レンスキー
出版社: 福音館書店
出版年: 2005年 (原版は1942年出版)
文の量: 見開きに3,4行
ページ数:全48ページ

こんな子にオススメ!
 動物好きな子
 自然に興味がある子 
 
アメリカ出身のロイス・レンスキーによる スモールさんの絵本は、9冊あります。*1
どれもスモールさんという男性が主人公のシンプルな絵本です。
スモールさんは口数は多くありませんが、「おとうさん」や「しょうぼうし」、「きかんし」などとして過ごす1日の様子をつぶさに見せてくれます。
この「スモールさんののうじょう」は、1人でこんなにできるの?と思ってしまうくらい大忙しな農場が舞台です。
淡々としながらも面白い、農場でのお仕事の様子を知ることができます。
 

*1:

  • ちいさいじどうしゃ(The Little Auto 1934)
  • ちいさいヨット(The Little Sail Boat 1937)
  • ちいさいひこうき(The Little Airplane 1938)
  • ちいさいきかんしゃ(The Little Train 1940)
  • スモールさんののうじょう(The Little Farm 1942)
  • ちいさいしょうぼうじどうしゃ(The Little Fire Engine 1946)
  • カウボーイのスモールさん(Cowboy Small 1949)
  • スモールさんはおとうさん(Papa Small 1951)
  • おまわりさんのスモールさん(Policeman Small 1962)ロイス・レンスキー - Wikipedia

続きを読む

【絵本】「おばけがぞろぞろ」ささきまき作 おばけがみんなでどこへいく?

おばけが ぞろぞろ (幼児絵本シリーズ)

タイトル:おばけがぞろぞろ
作:   ささきまき
出版社: 福音館書店
出版年: 1988年
文の量: 見開きに1、2行
ページ数:全24ページ

こんな子にオススメ!
 ストーリー絵本に興味が出てきた子  
 おばけが好きな子
 

おばけがふえてく楽しさをストーリ絵本への入り口に

ささきまきさんが描くおばけ達が1人ずつ増えていく、というシンプルな絵本です。

登場するのは皆かわいいおばけ達なので、どんなに怖がりの子でも楽しめると思います。

文章の量も少なく擬態語が多いので、赤ちゃん絵本からストーリのある幼児絵本への移行期に最適です。

 

続きを読む

【絵本】「ぶたぶたくんのおかいもの」土方久功作 「おつかい」を終えお母さんのもとへ戻る安心感

ぶたぶたくんのおかいもの

タイトル:ぶたぶたくんのおかいもの
作:   土方久功
出版社: 福音館書店
出版年: 1970年
文の量: 1ページに10行程度
ページ数:全28ページ

こんな子にオススメ!
 お店屋さんごっこが好きな子 
 少しお母さんと離れて遊びだした子 
 お散歩が好きな子
 

「おつかい」絵本の先駆け

ぶたぶたくんが初めて1人でぱんやさん、やおやさん、おかしやさんを回ってお買い物をし、お母さんの元へ戻っていくお話です。

 土方久功さんは1900年生まれで彫刻家、南洋の民俗学者として活躍された方です。

こちらの絵本以外にも3冊の絵本を福音館から出しています。

ぶたぶたくんには私も子供の頃お世話になり、親子共に大好きです。

 

続きを読む

【絵本】「町たんけん はたらく人みつけた」秋山とも子作 人間の行動を拾いあげる面白さ

町たんけん (みぢかなかがくシリーズ)

タイトル:町たんけん はたらく人みつけた
作:   秋山とも子
出版社: 福音館書店
出版年: 1997年
文の量: 1ページに吹き出し15個程度
ページ数:全40ページ

こんな子にオススメ!
 3~5歳の人間観察が好きな子 
 絵探しが好きな子
 

人々のランダムな行動によって街を描きだす

町たんけんに繰り出した小学生たちの集団を中心に、人々の暮らしぶりを描いた絵本です。

福音館書店の「みぢかなかがく」シリーズの1冊として刊行されました。

町を鳥の目で俯瞰しながら、個人の営みを観察する楽しみを教えてくれます。

 

続きを読む

【小説】「イワン・デニーソヴィチの一日」ソルジェニーツィン作 食事と仕事の大切さ

イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫)

タイトル: イワン・デニーソヴィチの一日
作:    ソルジェニーツェン
訳:    木村浩
出版社:  新潮社
出版年:  1963年
ページ数: 278ページ

こんな人にオススメ!
 歯ごたえのある短編が読みたい人
 刑務所ご飯に興味がある人
 極限下の人間に興味がある人

 

締めの一文の凄み、食と仕事について改めて考えさせる作品

父親の本棚で見つけて勝手に自分のものにした本です。

何度も読み返してボロボロになって新版を買い直しました。

ソ連ラーゲリ(強制収容所)で過ごす老人のある1日を描いた小説です。

最後の2行で何度読んでも「ふぃー」とため息が出ます。

続きを読む

【絵本】「まぼろしのゆきのはらえき」間瀬なおかた作 電車も動物も人間も等しく慈しんで描く

うみやまてつどうまぼろしのゆきのはらえき 

タイトル:まぼろしのゆきのはらえき
作:   間瀬なおかた
出版社: チャイルド本社
出版年: 2011年
文の量: 見開き2ページごとに4~9行程度
ページ数:全32ページ

こんな子にオススメ!
 3~5歳の電車好きの子 
 動物が好きな子
 

人間ときつねの共存を電車を介して描く作品

間瀬なおかたさんは、電車絵本を読む子なら一度はお世話になっている作家さんだと思います。

間瀬さんの描く電車はいつも少し丸っこくて柔らかい雰囲気をまとっています。

 

こちらの絵本では、昔話によく出てくる化け狐が電車を好きになり人間を助けてくれる様を描いています。

 

続きを読む

【絵本】「コッコさんのおみせ」片山健作 ごっこ遊びの面白さと家族との関係性

コッコさんのおみせ (幼児絵本シリーズ)

タイトル:コッコさんのおみせ
作:   片山健
出版社: 福音館書店
出版年: 1995年
文の量: ページごとに5行程度
ページ数:全24ページ

こんな子にオススメ!
 ごっこ遊び、ままごと遊びにはまっている子 
 間違い探しが好きな子
 

こどものごっこ遊びと家族との関わりを描く

「コッコさんのおみせ」は、片山健さんによるコッコさんシリーズのうちの1作です。

この絵本では、こどもの作り出す遊びの世界の柔軟さ、こどもと家族との関わりがユーモラスに描かれています。

続きを読む