【絵本】「こんやはなんのぎょうれつ?」オームラトモコ作 ページと共に進むおばけ行列のゴールは?
作: オームラトモコ
出版社: ポプラ社
出版年: 2012年
文の量: ページごとに5行程度
ページ数: 全36ページ
こんな子にオススメ!
おばけ、妖怪が好きな子
順番を数えるのが好きな子
探し絵が好きな子
行列の先には何がある? 図鑑としても楽しめるおばけ行列
オームラトモコさんによる「行列シリーズ」は、現在こちらを含めて5冊出ている人気シリーズです。
この本では、おばけたちの夜の大行列が子供の好奇心をかきたてます。
おばけ行列は一体何のためなのか?
行列の終点を求めて子供はどんどんページをめくっていきます。
あらすじ
「あー、いそがしい いそがしい」と何やらバタバタしているちょうちんおばけ。
「ほんじつ よるの2じに かいさい いたします」という立札の向こうには、おばけたちのながーい行列が続いています。
最後尾の魔女から始まって、1番乗りの雷神までその数なんと70人(匹?)。
一体この行列の最後には何があるのかな?
じわじわ列をたどると、おばけ達が楽しみにしている「行列の理由」が明らかになります。
子供の反応
息子(当時3才)と娘(当時2才)が2人ともなめるように眺めた絵本です。
各ページのおばけ1人1人の並び順、セリフなどを毎回確かめていました。
私がちょっとセリフを飛ばしたりするとすぐ気づいて怒られました。
決まって盛り上がったのは、おばけたちが一同に会するページを探し絵として楽しむことです。
「てながはどーこだ?」「かっぱはどーこだ?」と色々なおばけを探しました。
息子はひどい怖がりなのですが、この絵本のおばけ達は可愛かったのか全く平気でした。
おすすめポイント
行列という行為を見た時の、「何かゴールには良いことがあるに違いない」という期待感をうまく利用して、子供の興味を逸らさせないよう作られている点です。
また、図鑑のように1人1人が等間隔で並んでいるので、それぞれのおばけをじっくり眺めることが出来ます。
行列に出くわして、この先に何があるんだろう?何のための行列だろう?という疑問を持ったことは誰にでもあるのではないでしょうか。
日常なら「最後尾」の看板の人に聞いてみればわかりますが、絵本だとそうはいきません。
この絵本は、1ページずつめくっていく本の特性を利用して、ページを追うごとに少しずつ行列のゴールが近づいてきます。
子供たちは案内役のちょうちんおばけと一緒に行列をたどっていって、おばけの生き生きした様子を楽しみながらゴールを目指します。
各キャラクターの下には、名前と〇〇番目かが明記されています。
そして、並んでいるおばけ達の種類は、全くバラバラなわけではありません。
最後尾から「西洋生まれ→こども→おばあさん→動物→女性→物の怪→ビッグサイズ→その他のおばけ→神様寄り」とカテゴリ分けされて並んでいます。
1つのカテゴリと見開き2ページが対応していて、図鑑としての分かりやすさが生まれています。
さらに、同類同士、ご近所同士のおばけ達の行動が面白いのです。
寝てしまったり喧嘩したりいたずらしたり。おばけ達はやりたい放題です。
でもそのおかげで行列は退屈なものとはならず、ゴールまでその面白さを保っています。
最後の扉にはおばけ全員の名前と特徴が載ったリストがあり、じっくり読んで知識を深める楽しみもあります。
オームラトモコさんの行列シリーズは、こちら以外にも乗り物満載の「なんのじゅうたい?」、動物などの「なんのぎょうれつ?」、「むしさんなんのぎょうれつ?」「うみでなんのぎょうれつ?」と多数出ていますので、お子さんの興味に応じて選んでいただくのも良いかもしれません。